金沢大学 考古学研究室
金沢大学 人間社会学域 人文学類
研究室概要
1974年に金沢大学法文学部史学科に考古学講座が開設され、同時に考古学履修コースが設けられました。
日本海側の国立大学では初の考古学専攻コースでした。翌年には大学院文学研究科史学専攻に
考古学研究分野(修士課程)が創設されました。
1980年の文学部の分離・独立にともない、文学部史学科所属となり、
さらに1996年の文学部改組にともない国際文化交流史講座と合併しました。
2008年4月より施行された学域再編に伴い、人間社会学域人文学類歴史文化学コース考古学専門分野として新たなスタートをきりました。考古学を担当する専任教員は教授・准教授の2名体制となり、考古学教員は人間社会研究域歴史言語文化学系に所属しています。2014年度から教員は准教授1名となりました。
2016年から特別プログラム:考古学がスタートし、教員は教授2名体制となりました。
2020年度からさらに改組が実施され、
現在は人文学類の考古学・文化資源学プログラムの考古学研究室になっています。
2021年10月16,17日には、日本考古学協会2021年度金沢大会を開催しました。
講座開設以来これまでに約300名以上の卒業生を世に送り出しています。そのうち80名ほどが教員・学芸員・地方自治体職員・民間調査会社技術者などとして考古学関連の職業に従事しています。その他の卒業後の進路は一般企業・官公庁への就職あるいは大学院進学などとなっています。
卒業論文・修士論文・博士論文
ここでは、2017年以降に提出された卒業論文・修士論文・博士論文の題目を掲載します。
2022年度
学士論文
石原 梨沙子 「古代エジプト新王国時代の子どもに関する一考察―ディール・アル=マディーナ東部ネクロポリスとテル・アル・アマルナ南部墓地の比較を中心にして―」
佐々木 まどか 「江戸時代刀装具における文様表現の傾向に関する一考察~水野源六家の作品を例に~」
菅原 瑞穂 「上安原遺跡の「朝日下層式」土器再発見―北陸地方縄文前期末葉から中期初頭の土器編年の一考察―」
瀧野 紗希 「博物館における「音声を用いた展示」の活用に関する考察―金沢市内の博物館を中心に―」
山田 慎之宥 「有形無形の文化遺産によって形成される地域のアイデンティティ―磐衝別命の伝承を由来とする羽咋七塚古墳と唐戸山神事相撲を例に―」
2021年度
学士論文
歌代 若菜 「越後地域における大型バケツ形製塩土器底部の成形技法とその変遷について」
大橋 春斗 「越中における管玉つくりの特徴」
金延 季輝 「南加賀地方における弥生時代中期・後期の住居跡の検討」
椿野 智之 「末期古墳出土の横瓶と祭祀―対蝦夷政策中断期(737~ 757 年)における移民の可能性―」
橋詰 祐香 「三河地域の円筒埴輪━三河型の再検討━」
速見 透花 「諏訪地域における縄文時代中期の土壙墓の特徴」
2021年度
修士論文
岡部 睦 「エジプト、グレコ・ローマン時代におけるテラコッタ製女性像に関する一考察」
2020年度
学士論文
東 瑞貴「調整・技法等から見る花十字紋瓦の特徴」
今岡 蒼「北陸縄文時代遺跡出土の動物遺存体におけるクジラ目の同定」
小納谷 麗奈「末松廃寺の瓦について」
滝沢香織「縄文時代の籃胎漆器の地域別特性と用途」
堀内 健太郎「縄文時代土製仮面分類の再検討」
宮田 和希「日本出土盤龍鏡とその傾向からみる鏡の流通」
森島 康太「石川県の貯蔵穴について」
2019年度
学士論文
鏡百恵「弥生のミニチュア土器における性格の違いについてー指頭痕に着目した検討ー」
泉屋奏子「日本列島における先史時代のヒトとネコの関係について」
田中小鞠「富山県出土の土人形・土製品と天神について」
川村圭子「用地の正面観についてー金谷出丸・尾山神社の事例ー」
石田尊「山形県・秋田県の四爪鉄錨の集成と四爪鉄錨の地域的な特徴および傾向」
岡部睦「古代エジプト新王国時代におけるチャリオット構造と装飾の一考察」
宮林菜々子「クスクの変遷と首里城の正殿基壇の編年について」
2018年度
学士論文
石須藍花「石川県における玉つくり遺跡のグループについて」
山内花緒「梶子遺跡19次調査出土の墨書土器群に関する一所見ー伊場遺跡群出土の墨書土器群との比較からー」
南部夏紀「越後焼刻文の特色とその分類ー傘形刻文に注目してー」
山崎香里「宝町遺跡出土再興九谷における傾向と考察」
中島あずみ「金沢城下町の天神像について」
古保みのり「近世金沢における漆芸技術の分析ー宝町遺跡出土漆器資料および金沢大学資料館所蔵明倫館扁額の塗膜分析によるー」
2017年度
学士論文
高瀬実生「葉脈状文を中心とした北陸縄文中期後葉の土器編年の考察」
青江知咲「馬形埴輪の目の表現について」
瀧澤篤貴「石川県の中世井戸の研究」
久保雄亮「遊牧民族の帯飾板の出土地比較」
田村美由紀「初期円筒印章における弁髪の女性図像について」
考古学大会
金沢大学考古学研究室は、毎年『金沢大学考古学大会』を開催しています。この会は、卒業生や在学生が交流することを目的としています。卒業生が現在の職場状況を紹介し研究を発表します。近年の状況をここに掲載します。
日時
第16回金沢大学考古学大会
詳細
金沢大学考古学紀要
第44 号
(佐々木達夫先生喜寿記念号、中村慎一先生・中村誠一先生退職記念号)
佐々木 達夫 地域の歴史文化を発掘で復元 1~14
渡辺 芳郎 鹿児島城跡出土の記銘陶磁器の種類と性格 15~27
櫻井 秀雄 長野県立科町・雨境峠の祭祀遺跡群 29~45
野上 建紀・賈 文夢・椎葉 萌
近世の窯場空間の復元的研究− 2022 年度五島焼八本木窯跡発掘調査報告− .47~65
業天 唯正 縄文時代中期の紡錘車状土製品 67~76
多々良 穣 考古資料を用いた新科目「世界史探究」と高大連携教育 77~92
小松 隆史 八ヶ岳西南麓の縄文集落 93~107
Nguyen Thi Thanh Ngan
Relation between Heritage, Archaeology and Community: the Case Oc Eo
– Ba The site Complex (An Giang Province, Vietnam) 109~122
第43号
櫻井 秀雄
縄文時代中期の祭壇がある家
~長野県小諸市の郷土遺跡24号住居跡をめぐって 1~7
松井 広信
富山県における京都系土師器皿の受容と展開
~統計解析言語Rを利用した考古学的研究 9~22
野上 建紀・賈 文夢
長崎県波佐見町の「疱瘡墓」の分布について 23~36
多々良 穣
新科目「歴史総合」と考古学 37~57
菊地 大樹
初期東部絲綢之路の駱駝 59-66
金沢大学考古学研究室
金沢大学考古学研究室2021年度修士論文・卒業論文概要 67-70